台湾は2011年の東京電力福島第一原発事故後、福島、茨城、栃木、群馬、千葉5県の酒類を除くすべての食品に輸入停止措置を課してきましたが、衛生福利部は原則解禁すると公告、2月21日発効されました。
私は春節明け2月7日の“開工日”に急遽メディアの取材があり、貿易業者として今回の解禁を歓迎するか、どのような食品に可能性があるのか、消費者が受け入れるか、などの質問に答えました。
この報道の中ではかなり伝わりにくいのですが、私が台湾で伝えたかったのは、福島と周辺4県がいずれも日本有数の農業県であり、なかでも千葉は有数の水産県でもあるということです。
全国の生産量で茨城のメロン(1位)、栃木のいちご(1位)、福島の桃(2位)、さらに梨は当該5県を合わせると全国の約4割の生産量となるなど、果物王国であることを継続して訴求する必要があります。
一方で台湾も農業国であり、野菜は勿論、海産加工品他日本と同様のものが生産、消費されています。しかし、上記の日本産果物の甘さは圧倒的で、特別なものであることは台湾でもよく知られており、日本へ渡航する機会のない中では特に待ち望まれています。
今回の解禁をまわりの台湾の人たちの反応から、多くの台湾人が歓迎するだろうなと感じています。新規則の草案発表後の予告期間中、衛生福利部へ寄せられた意見のうち、半数近くが解禁に賛成、反対は1割程度であったようです。(残りは草案内容についての問い合わせ)
福島県の農産物輸出量は震災前を超えており、その商品性は勿論、安全性も広く認められています。震災前に台湾へ輸入されていた福島の食品は以後、“福食”と表現され、輸入規制対象食品の象徴として扱われてきましたが、今次解禁により台湾市場への再輸入が大いに期待されています。
福食は観光プロモーションとの組み合わせにより、輸出のみならず台湾人の観光需要へも応えるものであることは間違いなく、東北復興の一助となることが期待されますが、寶島(台湾)にも多くの福をもたらすものと考えています。
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